上海市では軌道交通網の整備により、公共路線バスの占める割合はやや低下しつつあるが、それでも市内交通の主役を占めており、上海市内を網の目のように網羅し、2013年現在約1090路線あり、バス車両は1.67万台、1日平均のべ742万人が利用する。
空調化率も95%を越え、郊外の一部の路線を除いて全て空調付の車両となり、かつての夏場の蒸し風呂のような状態は解消された。
ほとんどの上海の公共路線バスでは始発と最終バスのみ時刻記載があるものの、昼間の運行間隔については明確な時刻表はなく、およその運転間隔が案内されるだけで、10~20分間隔とされているものの、いつ来るかは待ってみないとわからないのが現状となっている。
ただ近年ではバスにGPS端末を搭載し、到着する時刻をデジタル表示するバス停や、スマートフォンのアプリも登場しており以前より待ち時間に悩まされることも少なくなっている。
さらに比較的運行間隔が疎な路線を中心に「定班」という運行時刻を固定したバスも増えてきており、以前よりずいぶんと利用しやすくなった。
渋滞の頻発する上海ではバスの所要時間は読みにくいが、延安西路のような各所の主要幹線道路を走る路線の場合は、朝(7時~10時)と夕方(16時~19時)の3時間ずつバス専用レーンが設置されるため、渋滞を脇目にすいすいと進み、タクシーよりも早く到着するケースが増えている。
バス停には、そのバス停に発着する路線と、初便最終の時刻、停車バス停、運賃などが記されており、これを参考にして目的のバスが来たらバスに近づいて乗車する。
上海ではバスへの整列乗車の習慣はあまりなく、停車位置も都度あいまいなため、人が少ないバス停だときちんと手を挙げて乗車の意思を表示をしないと通過されてしまう可能性もある。
上海のバスは大半が「前乗り・後降り」となっているが、一部例外があったり、地元の人間がルールを守らなかったりするので気を付けて乗り降りしたい。
一部の長距離路線を除いて上海市ないではワンマンバスが主流となっており、中国語では「无人售票」のステッカーが貼られているため、なるべく小銭か上海公共交通カードを用意したい。
近年では両替機がついた車両も登場したが、全ての車両についているわけではないので、やはり小銭を準備しておく必要がある。
なお子供料金は親同伴の場合、身長130センチ未満なら無料になる。
窓際の黄色の座席は社会弱者のための優先席なのでお年寄りや妊婦、子連れの乗客が来たら率先して譲りたい。
下車予定のバス停が近づいたら、早目に早めにドアの前に立ち降りる意思表示をしないと通過されてしまう場合もある。
混んでいる車両ではスリも時々いるので身の回りには十分気をつけたい。
・上海のバスの分類
・上海の公共路線バスターミナル
・上海の深夜バス
・崇明島・長興島へのバス
拠点となる駅のそばや、郊外区の中心地域には、交通の核となるバスターミナルがそれぞれ設置されている。
・人民広場
・上海体育館(軌道交通3号線漕渓路駅・11号線上海遊泳館駅・1・4号線上海体育館駅)
・龍陽路公交枢紐站(軌道交通2・7・16号線・リニア龍陽路駅)
・上海の空港
・上海の軌道交通(地下鉄)
・上海のタクシー
・高速鉄道・長距離鉄道・駅
・上海のフェリー
・上海公共交通カード
◆上海の交通機関◆